告白 1&2‐synchronize love‐


「なにそれ。んじゃなんの為にあたしに思い出してほしいのよ。あんたが得するようなこととか、ないの?」

「得ねぇ…」


深田恭一はカウンターに肘をついて頭をかく。


「損得のモンダイじゃあ、ないんだよねぇ…」


そんな次元の話じゃないんだ。

遠い目をして呟く。

それと同時にラーメンが2つ、ずいと無言であたしたちの前に差し出された。


「あれ? 美緒ちゃんのチャーシュー多くない?」


割り箸を割りながら、恭一が店長に文句をつける。

店長はチラリとあたしを見て、そそくさとカウンターの奥へ行ってしまった。


「あんな顔して、かわいいコに弱いんだよ~」


ニヤニヤと笑う恭一の何気ない言葉。

可愛いなんて、あんまり言われたことない。

くすぐったい気持ちになる。

それに恭一の口から『可愛い』って言葉が聞けたことが、あたしの心に強く作用した。



小さな店のチャーシュー麺は、とても美味しかった。