告白 1&2‐synchronize love‐


「悩みがあったとしても、相談する相手は選ぶよ」

「そーんなァ。俺って結構頼りになる男なのにィ」


ふてくされた恭一がカウンターをバンバン叩く。
指にいくつもしてるシルバーアクセがカウンターに当たってうるさかったんだろう。

店長が眉間のシワを深くして、恭一の派手な頭に濡れたタオルを投げつけた。

子どもみたいに頬をふくらませ、恭一は床に向けてタオルをしぼる。


「別に悩んでないよ。気になってることはあるけど」

「気になってること?」

「うん。…恭一はさ、あたしに思い出してほしいんでしょ? アンタのこと」

「そうだよ? なんか思い出した?」

「ううん。……もしさ、あたしが思い出したらどうすんの?」

「へ?」


恭一はたれ気味の目を丸くした。


「それは……考えてなかったなァ」


眉を下げて、頭をかく。

思ってもない質問をされたというように、恭一は本気で困惑顔をした。