「お姉さん、誰?」
切れ長の瞳が真っ直ぐに、あたしを見上げて聞いてくる。
恭兄ちゃんが、喋った。
「こら恭次(きょうじ)、失礼でしょ」
あたしは思わず矢沢エイジを見上げた。
タレ目は優しく微笑んで、小さな恭兄ちゃんの頭を撫でる。
「キョンキョンの弟だよ」
弟。
恭兄ちゃんに、弟が…
「何だよエイジ! 触んなよ!」
「おおっ? 生意気だぞキョンキョン2号~!」
「2号って言うな!」
仲が良いのか悪いのかよくわからない二人は、男同士らしく乱暴にじゃれ合い始める。
それを恭子さんは微笑ましいって感じの顔で見つめていた。
「不思議でしょう。いまの旦那との子なのに、あなたのお父さんに似た恭一にそっくりなの。もう日に日に似てきてびっくり」
でも、恭子さんはとても嬉しそうだった。
その気持ちは、なんとなくわかる気がする。
恭子さんはエイジに殴りかかる恭次くんの首根っこをつかんで、あたしの前に強引に立たせた。
かがんで、恭次くんと目線の高さを合わせてあたしを見上げる。


