恭子さんは同じようにヘラって笑って頷いた。
「待ってるわ」
「……あたしも、また来ても、いいですか?」
あたしがおそるおそる聞くと、恭子さんは矢沢エイジと顔を見合わせて、ぱっと明るい笑顔になる。
「もちろん! いつでも待ってる!」
可愛らしい、少女のような笑顔だった。
この笑顔にお父さんはやられたんだろうな。
玄関で靴を履いて、恭子さんに深く頭を下げた。
「お邪魔しました」
「またね、おばさん」
「二人とも、気をつけてね」
優しい声に送られて、玄関のドアノブに手をかけようとしたら、
触れる前にドアが勢い良く開かれた。
「ただいまーっ」
そして小さな、
あたしよりずっと背の低い男のコが入ってきて、あたしを見て驚いたみたいで一歩退く。
けど、驚いたのはあたしの方。
突然現れた小学生くらいの男のコは、三上くんに、
いや、恭兄ちゃんにそっくりだったから。
幼い頃の記憶の断片。
その中の恭兄ちゃんに、うりふたつの男のコが目の前にいる。


