「キョンキョンが捕まえたんだよ」
どこか誇らしげに、矢沢エイジが言った。
さすがに、「嘘でしょ」なんて返せなかった。
あたしをいつも見ていたなら、あたしがストーカー被害にあってたのを知ってても、おかしくないはずだから。
でも、誰かがストーカーを捕まえてくれたなんて考えもしなかった。
急に現れなくなったのは、あたしに飽きたんだって軽く考えてて。
恭兄ちゃんが助けてくれたなんて、そんなことって…
「キョンキョンが美緒ちゃんがストーカーに悩まされてるの知って、ストーカーのストーカーをしたの。そんで捕まえて、ボコボコにして、」
「警察に、引き渡したの…?」
「いや。ストーカーを警察が逮捕するのって、難しいんだ。美緒ちゃんの証言ももちろん必要になるし。そういうのは美緒ちゃんが可哀想だからって、違う方法にしたの」
ハルカさんの組の人に、引き渡したらしい。
もう二度とあたしに近付くなんて考えないようにする為にしたんだって。
「こ、殺したの…?」
「まさかあ。半殺しにはされたかもしれないけど、死んではないよ」
ハルカさんの側役とか言ってた、千堂さんを思い出して、ちょっとぞっとした。


