余命一年て言われてたけど、恭兄ちゃんは手術をしてから半年後に亡くなったらしい。
誕生日の、一週間後だったんだって。
「キョンキョンがね、意識がなくなる一ヶ月くらい前に、ようやく美緒ちゃんのことを話してくれたんだ。自分の、腹違いの妹なんだって」
「……うん」
「そんでさ、言うんだよ。自分の代わりに、俺に兄貴になって会ってくれないかって。美緒ちゃんが、自分のことを思い出すまででいいからって」
そう言われて、矢沢エイジは断ったんだって。
初めて恭兄ちゃんのことを、本気で怒ったんだって。
「俺言ったよ。自分で会えって。当たり前でしょ? 俺が会って、何の意味があるっていうのかわからなかった。あれだけキミを見てたのに、会わないで死のうなんて思ってるアイツが許せなかったんだ」
「……うん」
「でもね、会うたび頭下げられて。一生に一度の頼みだって、シャレになんないこと言うんだよ。病人じゃなかったら殴ってた」
結局それで、矢沢エイジは引き受けた。
深田恭一のフリをして、あたしに会って、腹違いの兄を思い出させるって約束を。
恭兄ちゃんとの最後の約束を交わした。


