「でも…それはアイツが強いとかそういうんじゃなくて。きっとさ、美緒ちゃんがいたからなんだと思うんだ」
「……あたし?」
「うん。キョンキョンがキョンキョンでいられたのは、美緒ちゃんがいたから。美緒ちゃんのことを考えてたからなんだと俺は思うんだよ」
でも、あたしは何もしてない。
彼の為に泣くことも、笑うことも、傍にいることさえも出来なかった。
そうあたしは言ったけど、矢沢エイジはそういうことじゃないんだって首を振る。
「自分の寿命が残り少ないってわかって、美緒ちゃんに会うか会わないかを決める覚悟が出来たんだ。だから死ぬことを考えるんじゃなくて、キョンキョンは最後まで、美緒ちゃんのことを考えてられたんだよ」
だから俺は、キミにとても感謝してるんだ。
泣きながら、矢沢エイジがあたしを見てへらっと笑う。
こんな話をしながら、そんな風に気の抜ける笑顔を見せないでほしい。
きっと恭兄ちゃんも、コイツの笑顔には何度も救われたんじゃないのかな。
お母さんに似てる、このふざけた親友に。
あたしが何度も救われたみたいに、きっとあなたも。


