命はたったひとつなのに。

人生はたった一度きりなのに。

それなのに、会わずに勝手に死ぬなんて。

そのくせあたしには覚えていてほしいだなんて、ひどすぎる。

あたしの気持ちはどうなるの?

考えなかったの?

あたしは、会いたかった。

あなたが異母兄であっても、

あなたに好きと言われても、

あなたが死ぬと、わかっても…

会いたかった。

なのにもう、絶対に会えない。

この涙は、あなたのせいだよ。

はじめて、ようやく、本当の『深田恭一』を想って涙が溢れ出た。



「う…あああああっ!」



叫ばずにはいられなかった。

心と一緒に体が裂けるような痛み。

もうどうしようもないんだって思ったら、悔しくて狂いそうだった。

冷たいギターケースを抱きしめる。

本当はあなた自身を抱きしめたかった。

泣くのなら、あなたの腕の中で泣きたかった。

もう全て、叶わない夢。









あたしは夢から覚めて、代わりに本当のあなたを見つけたんだ。