今年のお正月。
初詣で、振袖を着たあたしが間抜けな顔で立っていた。
『見せてやろうと思って』
あの時勝手に写真を撮った、ハルカさんの言葉を思い出す。
あれは、こういうコトだったんだ。
あの人も、恭兄ちゃんを大切に想ってて。
矢沢エイジの嘘に付き合って。
あたしに夢を、見せてくれてた。
本人にそんな気は、さらさらなかったかもしれないけど。
やっぱり、悪い人じゃないんだ。
一枚一枚、ちゃんと写真を見たくてコルクボードを持ち上げた時、
ギターケースにぶつかって、ケースが倒れそうになった。
「わ……っ!」
あわてて片腕でキャッチしてほっとする。
ケースを元に戻そうとして気づいた。
ケースの取っ手部分に、何か布…バンダナみたいなものが巻いてあって、
よく見たらそれは、ハンカチだった。
しかもそのハンカチは、あたしに見覚えがあるもので。
「コレ……なんで?」


