あたしもつられて立ち上がった。
「年取るとおしゃべりになってダメね。恭一に怒られちゃうわ。美緒さんを独り占めにするなーって」
「え……」
「あのコずっと、あなたに会いたがってたみたいだから」
口には出さなかったけどねって、恭子さんはちょっと寂しげに言った。
恭子さんに続いて居間を出て、廊下をはさんですぐ向かいの部屋の前で立ち止まる。
もしかして、恭兄ちゃんは家にいる?
そう意識したら突然また、心臓が高鳴りだした。
「あ、あの。あたし、急に来たりして迷惑だったんじゃ…」
いまさらだけど、勢いで来たし、相手の都合とかも考えられる状況じゃなかったし。
恭子さんはへらっと笑ってあたしの肩をポンと叩いた。
「いいのよ~。あの写真を見てからね、こっちはいつあなたが遊びにきてもいいように、心の準備は万端だったんだから」
「写真て…」
「エイジくんかハルカくんあたりから、この家の場所も聞いたんでしょう?」
「い、いえ。ここの住所は、お父さんから…」
「えぇ? そうなの?」


