これがもしかして、若かったお父さんが噴水に入って探して、テディベアに隠して渡した指輪なのか。
恭子さんは「これがなかったら旦那と再会できなかった」って、呟いた。
だからお父さんには、とても感謝してるんだって。
幸せそうな笑顔。
この人の笑顔を見ていたら、お父さんてすごく、イイ男だったのかなって思った。
「…やだ。あたしったらこんなことペラペラ喋って、お父さんに怒られちゃうわね」
「大丈夫です。秘密にしときます」
「あはは、ありがと。…ねえ美緒さん。お父さんは美緒さんから見てどんな人?」
急に聞かれて、あたしは首をひねりながらも答える。
「いつもは無愛想で、眉間にシワ作ってて、心配性で…優しいお父さんです」
その答えに恭子さんは満足したみたいに何度もうなずいた。
「お父さん、変わってないのねえ。恭一もそんな感じよ」
「………あの。あたし、恭一さんに…」
「え、あっ! そうね、そうよね! やだ~、あたしばっかりこんなに喋っちゃって。ごめんなさいね?」
あわてて恭子さんが立ち上がる。


