「じゃ、そういうことで、俺らいまからオトモダチね」


そう強引に約束させられ、あたしはなんだか納得できない思いをした。

だってオトモダチになったらなったで、別のやっかみが増えそうだし。

コータ先輩の涼しげな横顔を見ながら思った。

恭一といいコータ先輩といい、どうもあたしは変人につきまとわれる運命らしい。


「あ。そいえば、あの金髪の人」

「彼氏じゃないですよ」

「わかってる。だから言うけど、この前見たよ。K大の近くで」

「はあ。あんなのでも大学生らしいんで」


どこの大学かは聞いてないけど。

K大なのかな。あたしが思ってるよりあいつ、頭イイのかも。


「彼女っぽい人と歩いてた」

「…………へえ」

「マジで彼氏じゃないんだって、安心したよ」

「…そうですか」


冗談ぽく言って、それから彼は先に校門をくぐっていった。

その背を見送って、校門の真下で足を止める。

動揺してる自分が、理解できなかった。