間延びした電子音の後、インターフォンから女の人の声が響いた。
『はァい、どちらさま?』
深田恭一のお母さんの声?
でも、なんだか明るくてすごく若い人の声に聞こえる。
「あの……あたし、以前深田恭一さんにお世話になった者なんですが」
『恭一に? あ、ちょっと待っててくださいね~』
インターフォンが切れてすぐ、家の中からパタパタと足音が。
そして何の疑いも警戒心もないって感じで、簡単に玄関の扉が開けられた。
「お待たせしました~」
出てきた人に、あたしはすぐ反応できなかった。
だって、すごく似てたから。
それは深田恭一にじゃなくて、矢沢エイジに。
優しそうな薄茶のタレ目、笑うのが得意そうな大きな口。
「恭一の知り合いの方?」
ヘラっと緩い笑顔まで、すごくよく似ている。
頭が混乱しかけた。
あたしが呆然としてると、女性が大きく首を傾げる。


