短い沈黙のあと、三上くんは眼鏡を指でかけ直して、ちょっと笑った。
「そう。気をつけて」
「……うん、ありがと。行ってきます」
帰ったら全部話すから。
だから、待ってて。
こんな自分勝手なわがまま女でごめんなさい。
心の中で何度も謝った。
こんなこと直接口に出したら、三上くんは困るだろうから。
一人で学校を出たのは久しぶりだった。
いつも隣りには三上くんがいたから。
あたしは校門をくぐった後、大きく深呼吸して駅に向かって歩き出した。
向かう先に『深田恭一』がいるのかはわからないけど。
それでも必ず、会ってみせる。
その意志はもう揺るがないものになっていた。


