レアなお父さんの表情を見ながら、きっと昔はモテたんだろうなと思った。
いまもけっこう会社でモテてるみたいだけど。
似てる。
やっぱり親子なんだ、深田恭一と。
「…ねぇお父さん。お願いがあるの」
「何だ。何でも言ってみろ」
「あのね……。深田さんの家がどこにあるのか、教えてほしいんだ」
繋がっている大きな手が、ピクリと動いた。
お父さんの眉間にシワが戻る。
「聞いてどうする」
「お願い。向こうの家に迷惑はかけないから」
「美緒。俺は理由を聞いてるんだ」
厳しい声。
わかってる、簡単に教えてくれるわけないってことくらい。
だってあたしが向こうの家に行ったりしたら、向こうの家庭が壊れる可能性だってあるんだから。
わかってるけど、それでもあたしは…
「恭兄ちゃんに、会いたいの」


