カメラを回したまま本体をいじってるみたいだ。

マヌケ面が画面いっぱいに映ってる。

昔の映像かな。

髪が金髪じゃなくて、自然なこげ茶色だ。

いまより少し、顔つきも幼い感じがする。


『ん~? これ撮れてんのかなァ?』


ばっちり撮れてるよ。

ちょっと笑いそうになった。


『よっしゃ』


矢沢エイジがカメラを持ち上げて、まず部屋をぐるりと映す。

楽器や機械が置かれた狭い部屋。

ガラスの向こうにももう一つ部屋がある。

ここは…スタジオ?

スタジオなんて入ったことないからよくわからないけど。


『ただいまカメラのテスト中~!』


矢沢エイジが楽しそうにひとりごとを言っていたら、扉が開いて若いハルカさんたちが入ってきた。

ハルカさんはピンクっぽい茶髪、ミッキーさんはいまより少し髪が長くて、それから…


『何やってんだお前』


最後にあたしの知らない男の人が入ってきた。







その人は、三上くんにとてもよく似ていた。