疲れた。
なんかもう、どうでもよくなるくらい。
手で目を覆うと、あたしの意志に反して浮かんできたのは、
あの男のヘラヘラ笑顔。
得意のペ○ちゃん顔とか、わざとらしい呆れ顔とか、子どもみたいなふくれっ面とか、時折見せた困り顔に、らしくない真面目くさった顔。
それから…
キスをする時の、切なげな顔。
そんなアイツの色んな顔にヒビが入って、割れたガラスみたいに砕けて落ちていった。
エレベーターが一階に着いて、よろけながら外に出たあたしは、
入り口のところに置かれてた、あまり使われてなさそうなゴミ箱の前で立ち止まり。
鞄の中から手のひらサイズの箱を出した。
丁寧にラッピングして、赤いリボンをかけた箱の中身はチョコレート。
アイツにあげるために、持ってきてた。
自分でもなんでこんな物用意しちゃったのか理解できてなかったのに、三上くんに見透かされてたのはびっくりしたな。


