「俺もね、自分で会いに行けって何回も言ったんだよ? でもアイツ、絶対にできないって。譲らなかったよ。すげー頑固なんだよねぇ」
頑固、か。
前に目の前の男も、あたしのことをそう言って笑ってた。
ハルカさんも、ミッキーさんも同じこと言って『似た者兄妹』って笑ってた。
「本当はずっと前から美緒ちゃんのこと見てて、ずっと会いたい、喋りたいって思ってたんだよ」
「だったらそうすればよかったじゃん……」
「出来なかったんだよ。キミが、大切な妹だったから」
「それ、どういう意味?」
「そのままの意味」
わかんないよ。
首を横に振ると、矢沢エイジはあたしの手をシャツからはがして、そのままいたわるみたいに握ってきた。
「…たぶんね、美緒ちゃん。恭一はキミのことが好きだったんだよ」
妹以上に、想ってたんだ。
矢沢エイジははっきりとそう言った。


