これはユリが鋭いのか、それともあたしの態度がわかりやすいのか。

くるんと上向きのまつげをパサパサさせるユリは、興味津々て感じで三上くんを見る。


「ユリ、化粧薄くなったよね」

「…ちょっとォ。はぐらかさないでよ」

「今のほうがいいよ。可愛い」


ユリはヒカルみたいな美少女って感じじゃないけど、すっぴんが素朴な癒し系な雰囲気であたしは好きだ。

去年までの化粧の厚塗りをやめて正解。


「そんな変わってないし」

「嘘だね。絶対なんかあったでしょ。この間の本命チョコは誰にあげたのさ」

「義理だって言ったじゃんっ」


ユリは顔を真っ赤にして、窓際に逃げていった。

それにほっとして、あたしはため息をつく。

三上くんとのことをいまつっこまれるのは、ちょっとつらい。

何かあったのかって聞かれても、うまく答えられそうにないから。

一週間前のバレンタインから少し、




あたしは三上くんと距離を置いている。