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―――――
朝の通学路には、公然とイチャイチャするカップルがたくさん。
手をつないで、顔を寄せて笑い合う恋人たちはみんな、とても幸せそうに見えた。
「おはよう、三上くん」
教室に入ってすぐ、前の席の三上くんに声をかけると、彼は文庫本から顔を上げた。
「おはよう、酒井さん」
いつも通りの落ち着いた返事に、あたしはいつも通りの笑顔で返した。
いつも通りのあたしたち。
けど、その後ユリの席の前に移動したら、ユリが首を傾げて聞いてきた。
「ねぇ、美緒。ダンナとなんかあったの?」
ドキッとして、あたしは視線を泳がせた。
「…別に何もないけど。なんで?」
「えー、ホント? なんかギクシャクしてない?」
あたしはこの会話が三上くんに聞こえてないか、気になって焦った。
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朝の通学路には、公然とイチャイチャするカップルがたくさん。
手をつないで、顔を寄せて笑い合う恋人たちはみんな、とても幸せそうに見えた。
「おはよう、三上くん」
教室に入ってすぐ、前の席の三上くんに声をかけると、彼は文庫本から顔を上げた。
「おはよう、酒井さん」
いつも通りの落ち着いた返事に、あたしはいつも通りの笑顔で返した。
いつも通りのあたしたち。
けど、その後ユリの席の前に移動したら、ユリが首を傾げて聞いてきた。
「ねぇ、美緒。ダンナとなんかあったの?」
ドキッとして、あたしは視線を泳がせた。
「…別に何もないけど。なんで?」
「えー、ホント? なんかギクシャクしてない?」
あたしはこの会話が三上くんに聞こえてないか、気になって焦った。