どうしてそんな顔をするの?
あたしは笑顔を消して、じっと三上くんを見上げた。
彼は目の前でリボンを解いて、箱を開けた。
小さくてツヤツヤ光った真っ黒なケーキが現れる。
一緒に入れておいたプラスチックのフォークで、三上くんは一口その場で食べてくれた。
「…うん。美味しいよ。ありがとう」
「よかった」
「後でゆっくり食べるね」
あれ、そういえば眼鏡を外してコンタクトにしてる。
バイクでどこかに出かけるの?
「じゃあ、行こうか」
「…どこへ?」
三上くんは質問には答えずに、あたしの手を引いて家を出た。
こういう時の三上くんが、どういう考えで動いているのかあたしは知ってる。
前にもこんなことがあったもん。
いつもあなたは、あたしを驚かせるね。


