教室を見回したけど、三上くんの姿が見つからない。
「アンタの彼氏ならまだだよ」
ユリはチョコと見つめ合ったまま言った。
「そっか」
「いいよねぇ。恋人同士は簡単にチョコ渡せて」
深いため息をつくユリは、やっぱり誰かに恋してるみたい。
面食いのユリが誰を好きになったのか、ちょっと興味はある。
まさか葛城先輩じゃないだろうな。
ないない、うん。
それからあたしは窓から、登校してくる生徒を見下ろしていた。
けど、なかなか三上くんは現れない。
こんなに遅くなるのは珍しい。
どうしたんだろうって心配していたら、校門をくぐる生徒がいなくなって、校内に予鈴が鳴り響いた。
またお兄さんに、何かあった…?
電話をかけようと思ったら担任が入ってきてHRがはじまってしまう。
そして眠たそうな顔の担任から、三上くんが病院に寄るため遅刻することを聞かされた。


