パンツが見えそうな勢いで駆け下りてくる。
あ、見えた。
「どうしたの先輩」
「ホントにコータ先輩来るの!?」
「来るっていってましたけど」
「部活の時間っ?」
「まあ、たぶん…」
ユウナ先輩は顔を真っ青にした。
何で青くなるの?
「ど、どうしよ…」
「あれ。もしかしてチョコ忘れたの?」
「持ってきてるけど、そうじゃなくて…」
もしかして、渡そうか渡さないか迷ってるのかな。
持ってきてるなら渡すしかないと思うんだけど。
「ユウナ先輩。先輩がチョコあげなかったら、コータ先輩はがっかりすると思う」
「そ……そっかな」
「そうだよ」
「…そうだよね。お世話になってるんだから、チョコ渡したって変じゃないし」
ユウナ先輩は自分に言い聞かせるようにうなずく。
これは告白なんてまずムリだ。
あたしは精一杯、弱気な先輩を励ましてから教室に入った。


