お互い負い目を感じているなら、相殺だよ。
そろそろ素直になればいいんだ。
「サンキューな美緒。お前も色々大変そうだけど、がんばれよ」
あたしの頭にポンと軽く手を置いて、コータ先輩は今日いちばんの爽やかな笑顔を見せてくれた。
なんだか得した気分。
「先輩もがんばってね」
「おう。…さっきの話だけど、美緒のチョコだったら例外で受け付けるから」
「え?」
「北見にはナイショな!」
そう冗談ぽく笑って、コータ先輩は体育館の方に走っていった。
やっぱり嘘つきだね。
絶対にユウナ先輩から以外は受け取らない気だ。
あたしはバイトに向かう途中でユウナ先輩にメールを送った。
『さっきコータ先輩に会ったら、バレンタインに部活で学校来るって言ってました。がんばってね、先輩』
がんばって。
素直になれば大丈夫。
あたしは素直になっても、もうどうしようもないけれど。


