美緒ちゃんへ



   キミがこの手紙を読むころには

  きっと俺は 日本にはいないだろう

   突然現れてさっさといなくなる

     そんな俺をキミはさぞ

   勝手な兄貴だと 思うだろうね

      それでいいんだ

  キミが俺を 覚えていてくれるなら

   どんな形でだって かまわない

    美緒ちゃん俺はただキミに

  思い出してほしかっただけなんだ

   でも 人間てのは厄介なもので

    望みが叶うと すぐにまた

    新たなものを 望むんだよ

   だからね美緒ちゃんダメ兄貴の

  最初で最後の願いを きいてほしい

   キミにしか 叶えられないんだ

   家族になってとは 言わないよ

       ただひとつ

   忘れないでいて くれないか

      俺のことをずっと

   それは最上級のわがままだって

     もちろんわかってるよ

   それでも願わずにはいられない








      ねぇ 美緒ちゃん

    俺はたぶん きっとキミが、