ただ彼には、さよならを言われたことだけを話していた。
話を聞いた三上くんは、いつもと変わらない落ち着いた表情で「大丈夫だよ」と言ってくれた。
彼に「大丈夫」と言われると、本当にそんな気がしてくる。
「ね、三上くん。ウチ寄っていかない?」
「でも、すぐ夕食の時間だろ」
「なんなら夕食も一緒にしよ。大丈夫、お父さんはまだ帰ってくる時間じゃないから」
三上くんは少し考えるそぶりを見せてから、バイクを降りた。
「じゃあ、お茶だけいただこうかな」
ほっとした。
いつもなら遠慮して帰ってしまう三上くん。
でも、今日はそれよりあたしを気にしてくれているんだ。
バイクを玄関の前に停めてもらって、三上くんを初めて家に招き入れた。
「ただいまー」
「おかえり~……あら?」
リビングの方から出てきたお母さんは、三上くんを見て目を丸くした。


