そういえば、三年生はもうバスケ部を引退しているはずなのに、彼はバスケ部の専用ジャージを着ている。
「いや、部活あるんですよね? じゃあそっち行った方が…」
「でも俺引退してるしさ。今日はヒマだから手伝いでもしようかと思っただけだし」
言いながら、コータ先輩がジリジリと距離を詰めてくる。
その分あたしはジリジリと後退りする。
「でもホラ、後輩さんたちが待ってるんじゃ…」
「葛城もいるから大丈夫。新しいメンバーでの活動は始まってるワケだし、俺がいまさら顔出して先輩ヅラするのもなあ」
「いや~…きっと喜ぶんじゃないですかね」
葛城って誰?
なんか聞いたことがあるようなないような。
考えていたらいつの間にか、廊下の壁に追い詰められていた。
ええと、何でこんなことになってるんだっけ?
ってゆーか、何で誰も通りかからないの?
ゆっくりと、覆い被さるようにコータ先輩が詰め寄ってきて、あたしの顔に影がかかる。


