気づいた時には疲弊しきっていて、共倒れ。
そんな笑えない未来を想像して、背中がぞくりと震えた。
不毛な未来予想図にじゃなくて、そんな未来もありなんじゃないかって。
一瞬考えた自分にぞっとした。
「美緒ちゃん」
「えっ」
突然黙りこくっていた恭一が、うつむいたままあたしを呼んだ。
狭い部屋の空気が、ピンと張りつめたように感じた。
心臓が大きく脈打つ。
息をするのもままなくなるほどで、どうにかしてほしくて恭一の手に触れようとした時、
「俺、留学するんだ……」
抑揚のない声で、恭一が静かに呟いた。
あたしはすぐに理解できなくて、恭一に向き直りながら「は?」と聞き返した。
頬が引きつっていたかもしれない。
恭一は淡々とこう続けた。
「日本には戻らないかもしれない。…向こうで、音楽の勉強をするんだ」
「…も、戻らないって、何で?」
「その方が、いいからね」
微かに恭一は笑った。


