やめてよ。
そんな姿を、あたしに見せないで。
「………ここって、何か落ち着くよね」
話をどう切り出していいのかわからなくて、ぜんぜん関係ないことを言ってしまう。
落ち着くのは、本当なんだけど。
「……落ち着く?」
意外にも恭一が反応してきて、ちょっとびっくりした。
「う、うん。何かね、力抜ける」
「そっかァ……美緒ちゃんもか」
「も…って、アンタも?」
「ん? ……うん」
曖昧にうなずいて、また恭一は黙り込んだ。
何があったっていうんだろう。
空気が抜けた風船みたいに小さくしぼんだ恭一は、恭一じゃなく見えた。
「アンタ…ちゃんと寝てる? ごはん食べてる?」
何だか前にもこんなことがあったな。
あの時は、やつれていたのはあたしだけど。
そして恭一はここで、あたしにうどんを作ってくれたんだ。


