この整いすぎた顔を近くで見るのは心臓に悪い。
ってゆーかこの人、ああいうコトがあったのに、何で普通に話しかけてくるワケ?
あたしが慌てて距離を取ると、彼は苦笑しながらチケットを拾い上げた。
「あー、この映画な。俺も観たいと思ってたんだけど、部活あって行けなかったんだよなァ」
「…あの。よかったら差し上げます。あたしも人からもらったものなんですけど」
一緒に行く人が見つからなくてチケットがムダになるより、その方がいいだろう。
先輩なら、急でもデートしてくれる人は見つかるだろうし。
そう思って言っただけだったのに、
「酒井さん、こういう時はさ、ぜひ一緒に観に行きませんか? って言わなきゃ」
「はっ? そんなつもりで言ったんじゃ…」
「でもどーしよっかなー。俺これから部活に顔出さないとなんないんだよなー」
超イケメンは勝手に悩みだした。
この強引さとマイペースさ、誰かに似ている気がする。


