アイツと会って、あたしはどうするの?
妹として、声をかける?
…そんなことをして、何になるんだ。
ただアイツの声に耳を傾けて、アイツの話を聞いて、その先は?
以前のように、あたしは恭一をまっすぐ見つめることができない。
恭一のそばに踏みこむことを、躊躇してしまう。
いまのままで、もういいじゃないかって考えてしまう。
「美緒、なにしてんの!」
「ヒカル?」
突然、それまでミッキーさんの後ろで黙っていたヒカルが、ぐいぐいとあたしの背中を押して車に入れようとしてきた。
「行きなよ! 何ためらってるの~?」
「いや、でも…」
「会いたかったんでしょ?」
澄んだ瞳にそう問われて、あたしは口をつぐむ。
「なにか心配してたんでしょう? それなら、行くべきだよー」
「……うん」
ヒカルのまっすぐな言葉は、いつもあたしのゴチャゴチャした迷いを払拭してくれる。
自分の足であたしは、車の助手席に乗り込んだ。


