わからないなら、ぶつけるだけだ。
「大っキライ!! あなたたち…みんな勝手すぎる!」
静かな夜道に響く自分の声は、泣いているかのように聞こえた。
「みんな何か一番重要なことを隠して! それであたしを振り回してる! あたしと恭一のことなのに、あたしは蚊帳の外!」
それなのにもう会わないとか、最後とか、選べとか…。
あたしは置いてけぼりのままで、混乱するばかり。
悔しかった。
アイツにいくら手を伸ばしても、雲をつかもうとしているような気になって。
見えているはずなのに、ちっとも届かなくて。
「あなたたちは…何がしたいの?」
思い出してほしかっただけ。
アイツはそう言ったけど…。
ただそれだけなら、どうして恭一は、ここにいないの?
だからあたしは…
「ごめん」
ミッキーさんは張り付いていたような笑顔を引っ込めて、静かにあたしを見下ろしながら呟いた。
指の長い大きな手が、あたしの頭をなでる。


