慌てて受信BOXを開ける。


『兄さんが目を覚ましたよ』


短い文章に、あたしは全身から力が抜けてイスの背もたれに体を預けた。


「よ………かったぁ~」

「なになに?」

「三上くんのお兄さん、手術成功したみたい」

「おー。そりゃめでたい。じゃあ美緒のダンナもようやく戻ってくるね」

「うん」

「あーやだやだ。またラブラブビーム出しはじめるわけねー」

「ちょっと。あたしがいつそんなビームだしたのよ」

「出してるじゃーん。気づいてないのは本人だけよ」


そう言われて、あたしは口をつぐんだ。

本当だろうか。

他人から見て、そんなにわかりやすいビームがあたしから出ていた?

好きだって気持ちが、体から溢れてた?

なら、三上くんになんて鬱陶しく感じるくらい伝わってただろうな。

ちゃんと、伝わってるはずなんだ。

バイトの前に、病院に寄ろう。

ネックレスに触れながらそう決めた。