明るい曲だけど、これを聴くと元気が出ると同時に涙も出そうになる。
歌の意味を知ってしまったからだ。
でもいまは元気だけがほしいの。
だから涙をガマンするために、歌った。
暗い道に人気がないのをいいことに、小さく口ずさんで歩いた。
―――――たぶんキミと僕との関係は
ねぇ恭一。
やっぱりあたしは、アンタが好きだよ。
でもね恭一。
好きだと思うのと同じくらい、アンタがこわいよ。
好きだから近づきたいけど、アンタのことが知りたいけど、
同じくらい知るのがこわいの。
だからね恭一。
ごめんね恭一。
兄貴なら、許してくれるでしょう?
―――――くり返し躍らせてよチキチータ
最後のフレーズを口にした後、街灯の明かりで伸びたあたしの影が不自然な形を作っていた。
なにか別の影が重なっているような…
振り返ると、すぐ後ろに人が立っていた。


