とりあえずはぐらかすことにする。
ハルカさんもわざわざ、ミッキーさんに話したりはしないだろうし。
「はい。伝えてもらえれば、ハルカさんはわかると思うんで」
『そう? いいよ、わかった。伝えておく』
ミッキーさんはあまり納得してなかったみたいだけど、そう約束してくれた。
通話を終えて、パチンとケータイを閉じる。
月を探して見上げた空には闇しかなくて、ため息が白くなって消える。
間に合うだろうか。
いまからでも、遅くないだろうか。
ハルカさんの言っていたことが、よくわかった。
大切なものははっきりさせておかないと、
いざという時に守れないんだ。
でも、重要なのは数じゃない。
大切なものに対する自分の気持ち。
その違い。
それを三上くんの優しさに甘えて、いつまでもあやふやにして。
彼の優しさに、あたしは酷い返し方をした。
最低だ。
隠れた月に三上くんを重ねて、ごめんと呟いた。


