やることは決まっていた。
帰り道、あたしはケータイで電話をかけた。
3コールで相手は出てくれる。
『もしもーし、美緒ちゃん?』
「…こんにちは」
『うれしいなあ。美緒ちゃんから電話もらえるなんて。どうしたの? デートのお誘い?』
次の日曜なら空いてるよと、楽しそうに歌う甘い声。
ミッキーさんのこの軽さは、いまのあたしにとってはかなりありがたかった。
心からじゃないけど、ちょっとだけ笑えたから。
「ミッキーさんじゃなくて、別の人を誘いたくて」
『あー……アイツ?』
「いえ。…ハルカさんに、あたしが会いたいって言ってることを伝えてください」
『ハルカ!?』
甘い声が裏返った。
よほど意外だったらしい。
『なんでハルカ?』
「ちょっと話しがあって」
『ふうん。…伝えるだけでいいの?』
ミッキーさんは不審そうな声で訊いてくる。
ネックレスのことは、あまり言いたくないな。


