あたしの問いに、彼女はふと笑いをもらした。
男っぽい印象が薄れて、ぐっと可愛らしくなる。
「なんだよ。恋人と親、どっちかしか助けられないとか、そういう究極の選択でも迫られてんの?」
「まあ…そんな感じです」
「へえ。…そういうのは人それぞれだと思うけど。あたしはゼロか百しかないね」
すべて守るか、すべて捨てるか。
最後まで大切にできないなら、最初から抱えこむな。
そんな彼女の言葉は深く、胸に突き刺さった。
ばかな質問をしてしまったみたいだ。
黙りこんだあたしに気をつかったのか、彼女はこう付け加えた。
「あくまであたしの場合だから。立場とか状況がちがえば、考え方や答えも変わってくるし」
ユウナ先輩の話が頭をよぎった。
コータ先輩を好きだったけれど、それを隠したくて、忘れたくて別の人と付き合ったユウナ先輩。
結果たくさんの人を傷をつけたと言っていた。
だからあたしのことが心配なんだって。


