「美緒ちゃん見てて~」
ブランコに勢いをつけた深田恭一は、座った状態からブランコを飛び降り、前にあった柵を越える大ジャンプを披露した。
「うわっ! なにそれ、すごいじゃん!」
思わず拍手すると、深田恭一は「どうもどうも」と照れ笑い。
動物の真似をして子どもに拍手された時と、同じ顔で喜んでいる。
「美緒ちゃん、背中押してあげちゃう!」
「はぁ? 子供じゃないんだから」
「いいからいいから!」
あたしの言葉なんか聞くわけがなく、深田恭一は後ろに回って背中を押しはじめる。
恥ずかしいけど、なんだか懐かしい感じがしてきた。
小さい頃お父さんと公園に行ったら、こうやってブランコ乗って背中を押してもらっていた気がする。
「ねぇ深田恭一」
「んー?」
「なんで今日、動物園にしたの?」
「楽しくなかった?」
「そうじゃなくて。なんでかなって」
背中に深田恭一の手を感じながら、揺れる空を見上げた。


