ハッとして顔を上げると、ハルカさんがすぐそばまで来ていて、睨むようにしてあたしを見下ろしていた。
ファンはあたしたちを囲み、みな口を閉じて好奇の目で見ている。
「結局キミはウチにとって、疫病神にしかならなかったワケか」
「…疫病神?」
「今日こんなコトになったのはキミのせいだろ」
「こらハルカ! 何でお前はそういう言い方しかできないんだ」
ミッキーさんが人垣をかきわけて近づいてきた。
「美緒ちゃんは何も悪くないだろうが」
「何で。ほんとのコトじゃない。この女のせいで、またデビューが遠のいた」
ハルカさんの長い指が、あたしにビシリと突きつけられる。
ミッキーは額を押さえて頭を振る。
「だから、それは美緒ちゃんのせいじゃなくてアイツが…」
「よく言いますね!」
「………なに?」
あたしは突きつけられた指先を払いのけ、ハルカさんを睨み上げた。


