「ハルカ! これ受け取ってー!」
「エイジ!! 超カッコよかったよ~っ」
狂喜するファンの間を、ハルカさんは不機嫌な顔でベンツに向かって歩いていく。
愛想笑いの一つもない。
恭一は彼に、背を押されるようにして歩いていく。
車内に入ったのか、千堂さんはもう外には立っていなかった。
恭一が、ベンツに乗って行ってしまう。
だめ。
そんなのはだめだ。
力なく俯いたまま顔を上げない恭一の姿を見て、そう思った。
理由なんてわからない。
直感的に、あたしはアイツに会わなければならないと、そう思った。
そうしないと…
恭一が小さくなって、泡のように消えてしまうような気がしたんだ。
あたしは彼らを囲むファンの中に飛び込んだ。
「ちょっと押さないでよ!」
「割り込む気!?」
思いきり迷惑そうな顔をされ、睨まれ、押しのけられそうになってもあたしは、アイツに向かって手を伸ばした。
「っ……恭一ィーーッ!!!!」


