長いこげ茶色の髪の、筋肉質な男がマイクをつかんで歌っていた。
酒やけしたようなひどいだみ声。
まるで違うバンドの歌のよう。
それに…なんて仲の悪い音だろう。
リズムも何もなく、興奮のまま走るヴォーカル。
それを真っ向から否定するように、正確なリズムを刻むベースはハルカさん。
その間を取り持つように、気をつかっているみたいなドラムの半端なキックはミッキーさん。
そして、
たった一人で演奏をしているように、孤立したギターの響きは…
「恭一…」
明るく輝く金髪は、ステージに背を向けていた。
黒いタンクトップからのぞく肩甲骨には、あのトライバル。
こっちを向いて。
アンタは…恭一だよね?


