「三上くん…ありがとう」
バイクに乗る前にあたしがそう言うと、三上くんは少し眉を下げて微笑んだ。
そして、
人のいない駐車場で、唇にキス。
「キミが好きだから」
そんな甘いことを囁く彼は、やっぱり涼しい顔をしている。
「うん。…あたしもだよ」
そう答えると、またキスをされた。
今度は少しだけ深く。
なんだか、今日の優等生は積極的だ。
「…行こうか」
差し出されたヘルメットをつけて、タンデムシートにまたがる。
この座り心地にも慣れた。
彼の背中の大きさにも、バイクの激しいエンジン音にも。
だんだんと、アイツの影が薄れていく。
バイクが動き出し、夜風の風の冷たさを感じながら、こっそりとあたしは切なさを感じていた。
黒いバイクの向かう先も知らずに…。
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