「きっと賞とれると思うな」
「まさか。俺はただの素人だよ」
「ううん。あたし、三上くんの絵、素敵だと思う」
そうは言っても、あたしも素人だから説得力ないか。
でも三上くんは、嬉しそうに笑ってくれた。
綺麗な笑顔。
もっと笑ってほしいと思う。
だからあたしは、三上くんの左手をそっと握った。
人の心というものが、手のひらにあればいいのに。
そうしたら、こうして簡単に、繋がり合うことができるのに。
そんな気持ちが、顔に出ていたのかもしれない。
三上くんは口元でだけ微笑みながらあたしの手を引いた。
そして、彼の方によろけたあたしの頭に、キスを一つ落とした。
「…行こう」
人がたくさんいるのに。
やっぱり優等生は時々大胆だ。
顔を赤くするあたしを、彼はいつもの涼しい表情で、館内へと促した。


