「そんなことはないと思ってたんですけど。似てるって気づいたのも最近だし」
「あはは。じゃあ二人が似てるのも頷けるよね」
「あの、三上くんには言わないでくださいね?」
「どうして?」
「だって、普通嫌なものじゃないですか?」
「そうかなァ。うん、でもわかった。秘密ね」
馨さんは赤い唇に人差し指を当ててウィンクした。
素敵なお姉さんという感じ。
三上くん、この人のことを好きになったりはしなかったのかな。
ああでも、支配人と付き合っているんだっけ。
あたしが不躾に馨さんを見ていると、彼女はなぜかほっと息をついた。


