お似合い、か。
あたしと三上くんは、他人の目にどう映るんだろう。
ちゃんと恋人同士に見えているんだろうか。
なんて、こんなことを考えたって、あたしは他人の目から自分たちを見ることなんかできない。
不安になんて、なってちゃダメだ。
暖かなワッフルにそえられたバニラアイス。
アンティークの皿の上にあるような温度差なんて、あたしたちの間にはあるはずがない。
それからは三上くんのおすすめの画集とか、古い建築物の写真集とかを眺めたり。
有名な詩集の中でどれが一番好きか当て合ったり。
静かで穏やかな時間を過ごした。
そして外がだんだんと明るさをなくしてきた頃、馨さんが申しわけなさそうな顔で来た。
「お楽しみのところ、邪魔して申しわけないんだけど。優くん、おじいちゃんから電話がきてるの」
「オーナーから?」
「うん。さっきかかってきて、うっかり優くんが来てることしゃべっちゃったの」
「そうですか。…酒井さん、少しだけいいかな?」
「もちろんいいよ。あたしは本読んでるし」
「ありがとう」


