告白 1&2‐synchronize love‐



三上くんがため息をついたと同時に、部屋の扉が開かれた。


「優」

「なに、兄さん」

「クインにコーヒーぶっかけちまった」


お兄さんの軽い告白に、三上くんの顔色が変わる。


「風呂入れようとしたんだけど、アイツ逃げやがるから…」

「まさか火傷なんかさせてないだろうね」


声を低くしながら三上くんは立ち上がる。

お兄さんは「まさか」と手を振って否定した。


「アイスコーヒーだよ。濡れたまんま逃げるから、あちこち汚れてっかも」

「仕方ないな。ごめん酒井さん、ちょっと待っててくれる?」

「あたしも手伝おうか?」

「大丈夫。酒井さんが引っかかれちゃうよ」


三上くんは袖をまくり上げながら、お兄さんの横をすり抜けて出て行った。

トントントンと、階段を下りていく規則的な足音が消えても、お兄さんはドアの前から動かない。


「…お兄さんは、行かないんですか?」


沈黙が気まずくて訊いてみる。


「あの猫、俺にちっとも懐かねーんだよ」


まあ確かに。

動物に好かれそうな雰囲気じゃないな。

どちらかというと、警戒されそうな雰囲気だ。