見た感じ、サラリーマンとか普通の職業ではなさそうだ。
でもハルカさんの側役と言っていたあの、ヤクザなお兄さんとも感じは違う。
「ちょっと恐そうだけど、カッコイイお兄さんだね」
「昔からモテるんだ。決まった彼女はいないんだけど…」
「決まってない彼女はいるわけだ?」
「そういうことだね」
顔を見合わせ笑い合う。
あたしはお兄さんが現れたことで、緊張が少しほぐれていた。
二人きりじゃないと思うと、それだけでゆとりができる。
お兄さんに感謝だ。
それから勉強を再開して10分ほど経過した時、下からカシャンと、何か割れたような音が響いてきた。
「…お兄さん、だよね」
「しかいないからね」
「見に行かなくて、大丈夫?」
「放っておこう」
三上くんがあっさりとそう言った直後、下から「優~!」という叫び声が。
そしてドタドタと、階段を上がってくる足音。


