益々わからなくなった。
恭一はあたしに、一体何を伝えようとしているの?
「来るよね?」
「…は?」
「ライブ。来るでしょ?」
面倒そうに、ハルカさんが訊いてくる。
あたしは答えずに、チケットを彼に返した。
すぐに眇められた目に睨まれる。
「何か用事でもあるっての? まだ冬休みじゃん。一日くらい、いくらでも空けられるだろ」
「用事はないです」
「…じゃあ何。俺に土下座でもしろっての?」
殺すぞ、という意志が、ブルーグレーの瞳からビシバシと伝わってくる。
女装している時よりも、ハルカさんは凶悪な表情になっていた。
「ち、違いますよ。もうもらってるから、いらないんです」
「は? もらってる?」
「はい、二枚。…恭一から」
ぼそりと恭一の名前を呟くと、ハルカさんの表情が変わった。
「会ったの?」
「はい…」
「……ふーん」
ハルカさんはものすごく、面白くなさそうな顔をして、携帯灰皿に煙草の吸い殻をねじ込んだ。


