はっきりと答え、彼はコートのポケットに手を突っ込んだ。
なんだか少しイラついているように見えるのは、あたしの気のせいだろうか?
いや、それよりもあたしが気になっているのは…
「新しいメンバーって、誰ですか?」
「…聞いてどうすんの」
冷たい目を向けられて、あたしは続けようか迷った。
でも、いま前に立っているのは恭一のバンド仲間。
気持ちは、抑えきれない。
「あたし…あなたたちのバンドは、ギターのメンバーを探してるんだと思ってました。バンドの名前も、パパノエルだって知らなかったし」
手の中のチケットを見下ろし、イヴの夜を思い出してしまう。
「でも、学校の先輩にパパノエルのファンの人がいて。その人は、パパノのヴォーカルが変わったって言ってたんです」
ハルカさんは煙草を取り出して火をつけた。
神社で喫煙してもいいかどうかなんて、自分には関係ないと思っているような迷いのなさで。


