微妙な大吉を引いてしまったと思いながら、その下にある分に目をやる。
仕事だとか健康だとかの欄を飛ばして、今のあたしが一番に見てしまったのはやっぱり、恋愛運。
『待ち人来ず。心の迷いがそのまま関係に現れる』
あたしは固まった。
何だこれ。
この内容で大吉なんて、よく堂々と言ってくれる。
しかも何だか、身に覚えがあることが書いてあるから、余計に気に入らない。
ってゆーか、待ち人って誰?
一番に思い浮かんだヘラ顔は、なかったことにしておみくじを細く折る。
ヒカルが来たら、もう一度引こう。
そう決めて、おみくじがたくさん枝に結ばれている木の下に行く。
すでに大量のおみくじで枝が埋まっていた。
重たそうにしなる枝の中、結ぶスペースがある枝を見つけて手を伸ばす。
ギリギリ届く高さだったから、帯の締め付けを感じながらもそのままおみくじを結ぼうとした。
けれど後ろから伸びてきた手に、不吉な大吉はするりと奪われた。
驚いて振り返ると、そこにはライトグレーの細身なスーツを着た、銀髪の美形が立っていた。
「は…ハルカさん」
タイトなシルエットのコートを羽織っている彼は、女装をしている時とは雰囲気がまるで違った。


